ふたつの楽器で合奏する場合、各々が同じドの音を出せばとうぜん両者は共鳴します。しかしドとソでも美しい共鳴が得られます。これは両者が倍音レベルで見て行くと、親和性が高いからです。実際、ドの音の2倍音はひとつ上のド、4倍音はもうひとつ上のドですが、3倍音がその途中のソの音になります(正確にはそうなるのは「純正律」の場合)。
これと同様に、人と人の相性を見るのにも、倍音で読み解いていくと、ふたりの運命が「うまく共鳴するか」あるいは両者の奏でる運命はどうしても「不協和音になってしまうか」というのを調べることができます。倍音をベースに、共鳴度を調べる、というのが、この共鳴占星術の基本です。
こういう考え方は古くからインド占星術で注目されていましたが、20世紀になってこの技法を西洋占星術に取り入れる人たちが出てきて、特にイギリス占星学会の創立者であるジョン・アディーは「占星術の中の倍音(Harmonics in Astrology)」と言及して、深く研究しています。ただ、この手法は膨大な計算を行わないと調べることができないので、昔は極めて高い暗算能力を持つ占星術師のみが使える手法でした。しかし現代のコンピュータはこの計算をいとも簡単におこなうことができるようになり、そこでまたこの手法に興味を持つ研究者も増えているのです。
ここに送り出す「共鳴占星術」は、インド以来のこのホロスコープの倍音に注目して、長柄慧が独自の研究にもとづきまとめた手法を公開するものです。
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