「気学」とは、一白から九紫までの九つの星「九星」が循環することにより配当された年月日時の星と、干支、東洋の五行思想を組み合わせ、吉方位を使うことで開運をはかる方位占術であり、九星の呼び名とその五行は以下の通りである。
一白水星=水 二黒土星=土 三碧木星=木 四緑木星=木 五黄土星=土 六白金星=金 七赤金星=金 八白土星=土 九紫火星=火
九星は決まった法則で各方位を巡回することになっており、年月日時の四時によって定まる九星と十二支との関係で各方位の吉 凶を占う。
また、九星が配置された年月日それぞれの方位図を「盤(ばん)」 と呼び、年の方位図は年盤(ねんばん)、月は月盤(げつばん)、日は日盤(にちばん)、2時間毎の時を時盤(じばん)と呼ぶ。年については180年を一つの周期としている。180年の 最初の干支は甲子で、甲子年を一白として、九紫、八白と星についている数字が減るよう に循環させて行く。月の九星の循環のさせ方は、甲子年の九星術における正月である丙寅月を八白として陰遁させる。1年は12ヶ月であり、12と9の最小公倍数が36 であるので、月の九星の循環は3年を一つの周期としている。たとえば、
酉年の九星が七赤金星だとすれば、七赤金星酉年で、五行は金となる。
酉月で一白水星が巡れば、一白水星酉月で、五行は水。
午日で四緑木星が巡れば、四緑木星午日で、五行は木。
このように、ある年月日時に巡った九星と干支と五行によってその年月日時に固有の性質や、方位の吉凶を割り出すことができ、たとえば九星同士の相性は、五行思想による相生/相克(そうじょう/そうこく)によって決まる。
相生/相克とは、火は土を生み、土は金を産み出し、金は冷えて水を生じ、水は木を育て、木はすり合わさって火を起こす。
これらが相生。
火は金を溶かし、金は木を伐り、木は土の養分を吸い取って弱め、土は水を止め、水は火を消す。
これらが相克。という自然の法則に則って定められている。
方位の吉凶の中で最も重大な意味を成すものは「五黄殺(ごおうさつ)」とその真向かいに位置する方位「暗剣殺(あんけんさつ)」であり、五黄土星は強烈で激しくその方位を克す作用があるため、五黄土星が巡った位は「五黄殺」という最大凶方位となる。「五黄殺」の真向かいに位置する方位は殺気の反作用を受けて非常に不安定で闇夜にいきなり刃を突きつけられるかのように危険であるため「暗剣殺」と呼ばれ、五黄殺に次ぐ大凶方位なのである。また、それぞれの年月日の干支の反対側に位置する干支は元の干支に敵対する作用があるとされ、「破(は)」と呼ぶ凶方位となる。逆に吉作用をもたらす方位は、相生関係にある九星が巡っている方位である。これらの吉あるいは凶の方位が位置する場所によって、どんな幸運が巡り、どんな問題が生じるか、何に気をつけなければいけないか、などが判明するのである。 |